2/21/2023

Good bye

 次に会ったときにはこんな話をしようとか、最近のことをこんな調子で尋ねてみようとか、すこしは頭の中にあったはずのことが、ひとつも口から出てこなかった。元気で、と言うのがやっとで、別れ際に挙げた手でそのまま軽くハイタッチをして見送った。そこにしか存在し得ない一瞬の間が、やけに後を引いた。短かったのか、長かったのか、どちらにしてもその月日の経過を決して悪くは思わない。さびしいなどとは、思わない。