2/03/2015

SHERYL DUNN "EVERYBODY STREET"

SHERYL DUNN. Jan.22th, Tokyo

2月3日火曜日
 1月と書き、ハッとして書き直した。
 ニューヨーク在住のフォトグラファーでありフィルムメイカーSheryl Dunnの、ドキュメンタリー映画の上映と写真展『ANYBODY AVENUE』が先日まで東京でやっていた。竹村卓さんの本で見て以来、格好いいなあと思って頭の隅に残っていたシェリル。その卓さんの企画で開催された展示に行かない理由は無く、シェリル本人にも会いたくてオープニングに行った。本人を目の前にしてもやっぱりその出で立ちや話し方から感じるのは「格好いい」という印象だった。混み合う会場での上映会は画面がところどころ観られなかったけれど、それでも充分に込み上げて来る感情があり、また日を改めて観に来ようと思っていた。
 その夜の上映会が終わって会場の撤収作業が進められる中で、壁に展示されている写真をぶらぶらと眺めて歩き、人が少なくなったところでシェリルに話しかけた。こういう時にZineは本当に便利で、挨拶代わりというか、それを渡すことでまずひとつ大きな門を抜けられるような感じ。カメラは何使ってるの、とかそんなことをすこしだけ話しただけだが、久しぶりに好い緊張感で胸が高鳴った。帰り道もその興奮は冷めず、そして二週間以上経った今も引き続きあの夜のモチベーションは保たれているように思う。彼女が作ったドキュメンタリー映画『EVERYBODY STREET』はニューヨークのストリートフォトグラファーたちをドキュメントした映画だ。先日もう一度ゆっくり観に行ったが、やっぱりとてもポジティブな刺激を受けることができた。同時に最近は森山大道氏の本を読んでいるところなので、相互作用でぼくの写真欲は高まる一方だ。Street Photographyの魅力を改めて感じている。
 あのオープニングの夜の帰り道、久しぶりに手が震えていた。それは単純に緊張して震えていたというダサイ話だし、それが原因だろうか、シェリルを撮影した写真もすこしブレていた。ただ、普段こんな風に誰かに面と向かって写真を撮らせてもらうことは無いので、そういう意味でもこの日はやっぱり写真欲が高まっていたんだなという感じがするし、なによりもその日から、確かにぼくの写真の撮り方はすこしだけ変わったように自分でも思う。
 ぼくは喜びやすいタチなので、シェリルがぼくのZineを見ながら話をした後に「また会えるね」という風に言ってくれた言葉をいちいち覚えていて嬉しく思っている。本当にそうなってゆくようにと、また気分を高める。