・6月23日火曜日
「物事に対する感傷的な時間は誰の中にでもゆっくりと流れているよ
現在、
永井宏『smile』まえがきより抜粋/写真は今年3月に永井さんの奥様、恵子さんを訪ねてご自宅へおじゃました時に撮影したもの
夏が来て、フと永井さんの『smile』を読み返したくなった。夏は僕にとって特別な季節だと、10代の終わり、あの頃の夏を過ごしてから思い続けている。人からしてみれば必要以上にセンチメンタルな思いばかりを抱き、その記憶や憧れをなんとか今に、そしてこの先に結びつけようとしている。きっと、それはもう僕だけの話ではなく。そうやってそれぞれが自分にとって特別な記憶や憧れと共に生きていて、それが「これから先も生きていくために必要な残像」というものなのだろう。
僕は「いつか見たことのある光景」を感じる瞬間や、匂いが「いつかのどこかにいた時の記憶」を蘇らせるような瞬間が大好きだ。