日没までになんとか到着できるかと思って歩きはじめたが、時間にすると約3時間の散歩で、到着する頃にはもう暗かった。ちょうどそのすこし前に友人夫婦は仕事から帰って来ていて、家に上げてもらうとコーヒーを淹れてくれた。旦那さんのレコード部屋からはジャズが、ダイニングにいても聴こえてくる音量で流れていた。コーヒーを飲みながらしばらく話をしていると妻から仕事がもうすぐ終わると連絡があり、車でそのまま来てもらうことにした。彼女の職場がその友人宅からそう遠くないので、実を言うと最初から帰りは迎えに来てもらおうと企んでいたのだ。いいタイミングだから、ということで先日その友人から聞いていたベトナム人しか集まって来ないベトナム料理屋へ行こうという話になり、そのままみんなで乗り合わせて行った。「相当怪しいところだから」とは聞いていたが、着くとシャッターがほとんど閉まっていて、ベトナム人らしい人影が何人か入り口付近に見えた。友人が声をかけに行くと初め「閉店した」と言われたが、さっき電話でやってると聞いたことを伝えると中へ入れてくれた。タイ料理はよく食べるがベトナム料理はよく知られているフォーや生春巻き以外、そういえばあまり経験がなかった。それなのにきっとこれはちゃんと現地の味だな、なんて思わせられる美味しさと惜しみなく出される付け合わせの野菜・香草には、僕も虜になった。甘いベトナムコーヒーを飲み、大満足で店を出て車へ戻り、友人宅へ向かう。車中では、コーヒーの値段含まれてなかったんじゃないかという話題になるほど安かった。次は誰々を連れて行こうという話も盛り上がり、楽しいことはそうして続いていく。
散歩の終盤は足が痛くなりはじめていたけれど、意外と筋肉痛もなくいつも通り起き上がった今朝。朝ご飯を食べる妻の横でそんなことを話していたら、明日来るんじゃないかと言われた。一昨日、僕もまたひとつ歳を重ねたところ。