12/29/2014

親孝行とは言えない程度の


12月22日月曜日
 夕方、愛知から母親が初めて家に遊びに来た。駅でピックアップし、家に荷物を降ろすと、コーヒーが飲みたいというので淹れた。いつものように大袈裟なほど、ぼくが淹れたコーヒーは美味しい美味しいと言って飲んでいた。実家に暮らしていた学生時代、母親の仕事の帰りが遅い日がよくあって、もう日付が変わる頃にコーヒーを淹れて二人で飲むという習慣があった。
 特に家ですることもないので、母を連れて散歩に出たかった。日が暮れはじめてきたので、コーヒーをすこし急いで飲み干し外へ出る。坂の多い近所の道を歩き、近くの公園まで行った。もうその時間には陽は向こうの山の裏側に沈んでいて、控えめな夕焼けだけが残っていた。公園の中の丘の上まで歩いて、すこしの間向こうの景色を眺めたりしてまた引き返す。散歩の道中、すれ違う人に小声で「こんばんは〜」という母の声が何度か聞こえた。そういえば実家の周りで散歩をしていた時は、ぼくもすれ違う人と挨拶を交わしていたが、いつからかその習慣がほとんどなくなっていることに気付いた。
 夜は仕事帰りの妻を拾って温泉に。そして帰ってから部屋でビールとホットワインを飲んだ。母親は上機嫌で、ひとまず今日はこれでいいのかなという気分。