1/10/2015

やっぱり最後は

1月9日金曜日
 夕方、最後の額装をしているとマットが足りないことに気が付き、街の画材屋へ急いだ。今回は余裕をもっているつもりでいたのに、いつの間にか鼻息を荒くして手を動かしている始末。車に荷物を積み込みたまプラーザへ向かって走り始めると、何か青春の風も感じるような、心躍る行事が始まる前のような気分だった。夜から出掛けるというのも、そんな気分を盛り上げてくれる。友人の音楽を流しながら気持ちよく夜の246を走っていると、覆面パトカーに路地へと誘導された。おにぎりを携帯電話と勘違いでもしたのだろうと思い、窓越しに声をかけて来た男によく見えるように、その右手を胸の辺りまで気持ち堂々と持ち上げて挨拶した。男はおにぎりには目もくれず、スピード違反であることを告げ、パトカーへと案内した。わかりやすく機械的な説明をした真面目な彼のつくる書類は、女の子のようなかわいらしい文字で書かれていた。この先は下り坂で、もっとスピードが出て危険が高まってしまうのでお止めしました、と言われたが、それなら注意だけでいいじゃないかと思う。気分を取り戻して再び走り出すと、食べかけのおにぎりはまだ温かかった。