5/30/2012

一枚シャツをはおって

 曇りかけの晴れ。
 春が来てミドリが広がりはじめて、夏に向かってジャングルのようになってきている職場の植木畑。毎日大体10カ所くらいは蚊に刺される。目の前に10匹近い蚊が飛び回っているのに両手が塞がっていると、発狂しそうにもなるし、諦めて気にしないようにしてみたりもする。その中間あたりでなんとか仕事をしている感じ。ぼこぼこにやられる割には、意外とすぐにかゆみも跡も消えていくので、まだ蚊はいい。毛虫にはかなわない。先月からもう三回も刺されていて、そのたびに気持ち悪いくらいに刺された一帯がかぶれる。先輩たちはまだそんなに刺されていなくて、なんとなく、自然の中で働くこと、その洗礼を受けているような気分。けど最近すこし考えてしまうのは、自然の中といっても僕の場合それは植木畑の中でのことだということ。このきもちはまだうまく纏められていないのだけど、木を掘ったりする中で冬眠中のカエルを起こしてしまったり、トカゲの尻尾を切ってしまったりとかたくさんの生き物を脅かしているのは事実で、それが植木づくりのためだというところがすこし気になる。
 先日「居ごこちのよい旅」という本を買った。松浦弥太郎さんが文を書いて、若木信吾さんが写真を撮った本。内容はもちろん、タイトルがいい。僕も居ごこちのよい旅をするべく、すこしづつ準備をしていこうというところ。
 窓から吹いてくる風が涼しい。シャツを一枚羽織って相方を駅まで迎えにいこう。今日は訳あって仕事を休んで一日家にいた。