Switch30周年トークショー

2月16日月曜日
 すこし前のことだが、東京のSwitch PublishingのカフェにてSwitch創刊30周年記念イベントとして開催された、編集長の新井敏記さんと黎明期のアートディレクションを勤めた坂川栄治さんのトークショーを聴きに行った。
 トークの内容とは違うのだが、その日イベント内で流れた音楽も印象に残った。まずお二人のトークが始まってすこしした頃、新井さんが話しながらテーブルの上のCDプレイヤーにBGM用の音楽をセットした。それは映画『Paris, Texas』のサントラで、ぼくの一番好きなCDのひとつだ。以前、朗読のBGMにこのCDを使ったこともあったり、個人的にこのCDには特別な思いがある。そしてイベント中にはスライドショーも上映されたが(数年前にご友人が亡くなられたときに贈られたものという、美しい映像だった)、そのBGMにもやはりそのサントラから一曲音楽が使われていた。その映画を好きならばすぐにどの曲かわかるはずで、そう言うぼくも去年自らの結婚式用に作った生い立ちの映像にその曲を使用したのだった。そんな共通点は単純になんとなく嬉しかったし、より近い気分で彼らの話に聴き入ることができた。
 その夜に聞いた話、そしてそこに見た彼らのスタイルには、今のぼくは大きく心を動かされた。トークショーの最中もその帰り道も、色んなアイデアが頭を過った。書き留めておかなくてはと思い、閉店間際の喫茶店に入ってノートに走り書きをした。家へと歩く帰り道、ひとつのことをぼくは心の中で決めた。自分にできることを思い描きながらひとりで笑い出しそうな夜だった。