12/03/2012

LAZY SUNDAY





 ずっと考え事をしていたような、ただぼんやりしている間に時間が過ぎていってしまったような。近所へコーヒーを買いに行った以外は、ほとんど窓辺の椅子に座ってパソコンを触ったり、考え事をしていた。確かに考え事はたくさんできたと思う、いくつか帰国してからの予定をたててみたり。昼前から雨は降り始め、遠くの方から明るくなってきた午後にカメラを持って外へ出たが雨は止んでおらず、それどころか思っていたよりも降っていて、情けないくらいあっけなく引き返した。そうして午後も家で過ごすことにきめたので、マグカップを持って朝と同じ店へコーヒーだけ買いに出た。マグカップの中に雨が入らないように手でふたをしながら歩くと、その手にすこしの間コーヒーの匂いがしみ込む、その匂いが好きだ。スタンプタウンコーヒーのマグカップを先日買ったのだが、その近所のコーヒーショップもスタンプタウンの豆を使っているので、申し訳ない気がしなくていい。そんな、コーヒーと、そしてネコと窓辺で過ごした一日。窓から通行人を眺めたり、たまに写真を撮ったり、ネコのいたずらに振り回されたり。今はネコはこの机の隣のベッドで丸くなって寝ている。おとなしくしている時は本当にかわいい。なんて、自分勝手に可愛がっている。

 サンフランシスコで会えるかもしれなかったけど、タイミングが合わなかった人が二人いる。写真家の高橋ヨーコさんと、サーファーであり映像作家のユージさん(Ugee, Yuji Watanabe)のお二人(それぞれ名前のところにリンクを貼りました)。ヨーコさんはきっと知っている人も多いだろう。今はサンフランシスコで暮らしていることを知ったので、会いたいと思っていきなり連絡をさせてもらったら、すごく気さくにやり取りをしてもらえて気持ちよかった。ユージさんのことは例のiPhoneアプリInstagramで存在は知っていて、そしてトパンガで会ったみんなから「サンフランシスコに行ったらユージに会うべきだよ!」と言われていた。そんなふうにみんな繋がっていたから電話番号もすぐに教えてもらえて、ユージさんもとても気楽な感じでやり取りをしてくれた。ヨーコさんとユージさんも仲の良い友人同士だそう。そんなお二人。そして、今日驚いたのはユージさんの作った新しいサーフムービーのプレミア上映が、僕が帰国する翌日に原宿であるというのだ。しかもヨーコさんも帰国してその場に行くのだという。こういうことってあるもんだよなあ、と驚きながらもどこか冷静に「いい感じ、いい感じ」と生意気に思っている自分もいて、とにかくその日が楽しみだ。そしてその日の夜中に、夜行バスで愛知へ帰ることも決めた。帰国してすぐにまた動き回ることになってしまうが、後のことを考えるとそうするのがいいと思った。兄から譲ってもらう車を取りにいくのが一番の目的。行きたいところ会いたい人はたくさんいるが、月曜日には神奈川へ帰るのでどれだけのことができるか。あとは日曜日の夜に名古屋の友人のカフェ、イニュニックのイベントへ行くことも決めたので、そこで友人たちと会えることを期待。というかたくさんの知った顔が集まることはすでに決まっているような感じ。名古屋愛知のお友達は是非そこで会って飲みましょう。そして火曜日には水曜日から始まる、ザッツのギャラリーでの展示の搬入お手伝い。その情報はまた追ってここでもすぐに伝えるつもり。
 帰国してからのそんな忙しくも楽しくなりそうな日々のことをぼんやりと、窓の外のグレーな風景以上にメリハリ無く考えていた一日ももう終盤。マリーはマイクよりも一足早く今晩帰ってくるはずだが、夜中遅くになるのだろうか、時間を聞いていなかった。水曜日は早朝の便だから、実際にポートランドで過ごせるは明日あさってのあと二日。ちょっと怠けた一日を過ごしてしまったかな。けどこんなふうに思う存分リラックスして一日を過ごせる場所があることは本当にありがたい。こんな一日もきっといつか思い返したときに微笑ましく思えるのだろうな、と、また何度も言っているようなことを。海の方へは行っていないし、郊外の山の方へも行っていない。楽しいことはまだたくさんあるはずだが、何となく今の僕は今のここでの日々にこれ以上の展開を求めていない。そんな気分になれていることが実はすごくうれしい。明日あさっても朝起きて、したいと思ったことを好きなときにしよう。それが今回の僕のポートランドでの過ごし方で、確かにまったりし過ぎてはいるが、それでいいと思えるのだから。とりあえず、あと二日。雨が降らなければやっぱり歩き回って来たいと思う。もう何度も歩いてる同じ道を歩きたい気分。そして同じ店に入ってコーヒーを。

2012.12.2 Sun. night wrote.