Between the seasons

 出掛けると足下に一瞬視線を感じる季節になった。まだビーサンだからだ。久しぶりにヒゲも生えてくるままにしていてセーターは毛玉多め。出掛ける前に炊飯器をセットしてブリ大根をつくって小鍋に出汁をとってきて、変な主夫の気分で出掛けた先日の打ち合わせ。駅の混み合うエスカレーター付近でビーサンのかかとを踏まれ、謝られた次の一歩でまた同じ子に踏まれたときは笑うしかなく、そうなると向こうも謝りながらも笑っていて後味がよかった。理由はなんであれ、知らない人と小さく微笑み合える瞬間はきもちがいい。街にそんな瞬間がもっとたくさんあればな、なんて善人のようなことを思ったりもするが、街ゆく人々を、気付かれないように撮影している自分が言うのもなんだかオカシイ。
その日の打ち合わせではまた次の展示の話が決まりはじめ、休む間なくどんどんやっていきたいと改めて思う。のんびり生きることは身に付いてしまっているから、すこしくらい自分に鞭を打つくらいがいいのだ。今のうちに。と言いながらこれも、数日ほとんど自宅でゆっくり過ごしている自分が言える台詞ではないのだけど。腰が重たい口だけの人になってしまう前に今日は出掛けよう。雨はなんとか保ちそうだが、折り畳み傘をリュックに入れて行こう。