憧れの海辺

 晴れとくもり。風が吹いていて涼しかった。大きな脚立の上で刈り込みをしていたらすこし怖かったくらい。
 今晩は絶対にoasisへ行こうと思っていたが仕事後、会社の皆でご飯を食べようということになり断念。お盆や正月の休みに入る前にそういうことがあるというのは聞いていたが、まさか今日とは思わなかった。明日働けば五日間の休みだ。oasisでは今晩、なみさんこと南正人さんのライブが行われていた。名古屋で去年、対バンのEtt目当てでTribal Artsでのライブに行ったことがあるが、そのときに一気に好きになった人だ。なみさんの歌がoasisで聴けるなんてと、きもちいい夜を思い描いて楽しみにしてきたが残念。帰り道、車でなみさんの歌を流しながら走っていたら、いろんな気持ちがよぎった。このまま名古屋へ走って行きたいと思った。名古屋で自分がまた暮らすことはきっと無いと思うが、また名古屋で暮らしたいと思う。それは正直言って、強く思う。けど、それから帰り道にさらに強く思ったのは、海の近くで暮らしたいということ。この道を歩いていけば海に行けるとか、この坂を上ったところから海が見えるとか、そういう場所が好きだ。わくわくもするし同時に落ち着く。海辺の町にはずっと憧れつづけているし、自分には合っているとも思う。そしてそんな日はそう遠くない。かもしれない。
 すこし前に書いた"えいちゃん"から言われたことで思い出したことがひとつある。「アルバイトもいいけど、一回就職するのもいいのもいいかもしんない。一年だけでもいい。」今月で辞める今の植木屋での仕事は、就職するつもりで始めた。結局長くは続かなかったから社員になることは無くアルバイト契約で終わるが、初めて就職しているのと同じように働いている。別にえいちゃんのアドバイスを聞いて就職することにした訳ではないが、あのときに言われた言葉の意味が最近わかってきた気がする。実際にこの八か月働いてきた今、学べたことはなんだろうかと考えると、それは植木を扱う上での知識と技よりも、仕事に対する姿勢とか、人と働くということ、そして現実世界を知るということだったと思う。この生活をたったの八か月だけでもできたことの意味を感じる。ここを知った上での、これから先のこと。今までよりもっといろんなものを見て歩いていけそうな気がしている。