good night on the summer beach.


晴れ。日曜日ならどれだけ暑く晴れていてもきもちいい。どこまでも青くなっていく最近の夏の空に気分も明るくなれる。
 昨日はやっと、本当に遅くなってしまったがやっと職場の先輩三人に今月で辞めることを伝えた。普段直接たくさんのことを教えてもらいながら一緒に働いているのは社長ではなく先輩たちだから、真っ先に伝えるべきだったとは思うが、それだけに申し訳ない気持ちもあってなかなか言い出せずにここまで来てしまった。アメリカのことやその先のこと、楽しみなこれからの自分の生活を考えてワクワクしたり悩んだりしていても、どこかにまだ先輩に話していない後ろめたさも感じながらいた数ヶ月にとりあえず区切りを付けることが出来た。どんな反応をされるか不安で怖さもあったが、ゆっくりと聞いてもらえた。三十代半ばの先輩が二人と、僕より二つか三つ年上の先輩が一人いる。その歳が近い先輩は驚きながらも僕が話すことに時折ニコニコしながら、いいねいいねとうなずきながら僕の顔を見ながら聞いてくれた。二人の先輩はすこしうつむいて、ちょうど音楽を集中して心で聴くときのような感じで、たまにうなずきながら静かに聞いてくれた。そして一通り話し終えてすこし間を置いてから一人は「気をつけてやんなよ。怪我しないように」と一言。さっきの歳の近い先輩は「子どもできるまえに好きなことやんなよ〜」と笑って明るい空気をつくってくれた。そして駐車場まで歩いてゆく途中、もうひとりの先輩がやさしい言い方で「写真見せてね」と声をかけてくれた。そんな三人の先輩と働いています。
 その夜、行こうか迷っていた葉山森戸海岸の海の家oasisへはやっぱり行くことにした。職場からだと藤沢の辻堂から海岸線を走って行く。久しぶりに雨が降った午後、雨上がりの海岸線、土曜日の夜、どこかの祭りへ向かっているような人やお酒を持って浜へ歩いている人、僕と同じく海の家へ遊びに行くんだろうなという人たち。昨晩のoasisはかつてRocking Timeというかっこいいロックステディバンドをやっていた今ちゃんこと今野英明のライブだった。到着が遅かったので最後二十分ほどしか観られなかったが、それでも気付いたらステージ横で踊っていたくらい最高なライブだった。今ちゃんのライブも目当てだったが同時に昨日の夜は一人会いたい人がいたのだった。その人はさっちゃんと言って、四年前か、名古屋からの徒歩旅行をした夏に家に泊めてもらったり一緒に時間を過ごしてお世話になった人であり、マニスというオランウータンのキャラクターを通してオランウータンの保護、森林保護などへ繋がる活動をしているアーティストでもあるマルヤマサチコさんだ。それに建築家の旦那さんマルさんと娘のスモモ、三人とは二年ぶりに会ったが変わらない自然な雰囲気が心地よかった。さっちゃんとちゃんとゆっくり話が出来たのはあの4年前の夏以来かもしれない。お互いの近況とこれからのビジョンなどを話したが、変わらないところは変わらず、けど間違いなくいい方向に進んでいることを感じた。それは二人共に。そこに歳の差は関係なく、通じるところは同じ気持ちの持ち様で、改めてそうだそんなふうに自分のできることを続けていくことだ、と確かめ合えた感じ。きのうは何となく長居せずに帰った。たまにイベント会場なんかに行っても、友人たちに挨拶せずにそっと帰りたい時がある。昨日はそうだった。それは悪い意味ではなくて、何か自分の心が動いているときにそんな気分になるのかもしれない。
 久しぶりに会う人々に最近決まって驚かれるのは、僕が大人になったねということ。じぶんでいうのもなんだが。まあその大きな要因が、ヒゲとめがねだろう。今年からヒゲを生やしていて、2か月ほど前からはコンタクトを辞めてめがねで生活している。丸っこいめがねだからなおさら古くさい印象。こないだ職場に来ていたお客さんの小学校低学年くらいの子どもがバケツを持って僕のもとに来て、「おじさんここに水ちょうだいー」と言ってきた。おじさんと言われたのは初めてのことだった。そしてそのあと三十代半ばの年相応の見た目の先輩に「おにいさーん」と声をかけていた。小さい子どもから見ればやっぱりヒゲとめがねイコールおじさんなのだろう。今年は誕生日をアメリカで迎えるんだな。十一月で二十四歳になります。