アメリカ人


 昨日見つけて気に入ったCELLAR DOOR COFFEE ROASTERSへちょっと散歩がてら朝のコーヒーを飲みに行く。今朝は紙コップで持って帰り、家でパンを食べながら。こうして家の近くに"ちょっとコーヒーを飲みに"行ける、そして行きたくなるようなコーヒーショップがある町で暮らしたい。
 昨晩はタイ料理をテイクアウトし、三人でTVを観ながら食べた。そうこうしているとまたしても同じアパートのカールがやって来て、映画を観に行こうという話になった。歩いてすぐのところに映画館があり、そこでは007の新作が上映されている。それは数日前にその前を歩いたときに確認していたが、まさか観に来ることになるとは。英語もきっと大して聞き取れないだろうし楽しめるかな、と正直あまり期待せずに着いて行ったが、最初の予告編が始まってすぐに、来てよかったと思った。僕には理解できないジョークにも声を出して笑い、映画ならではのあり得ないアクションシーンでもいちいち声を出してドッと沸く。本当にその瞬間観客みんながひとつになるような、そんなふうにみんなで盛り上がりながら鑑賞していた。欧米のジョークに笑うことができずひとり黙って観続けたが、僕は僕で、みんながそうしてドッと沸くたびに「これがアメリカ人か」と面白がっていた。そして帰り道に映画の感想を言い合いながらそれぞれの家に帰って行く。「映画としてはそんないい映画じゃないけど、観てて楽しいでしょ」と言っていたことや、最後エンドロールが流れ始めるとすぐにみんな一斉に席を立って帰るのを見て、これがこの人たちの映画の楽しみ方なんだな、と感じた。アメリカ人の、とまで大きく括ってしまえるほどまだ他の人たちを知らないが、少なくとも昨日あそこにいた人たちは、そういうエンターテイメント、娯楽をみんなで観て盛り上がる、という行為が単純に好きみたいだ。今や派手なアクション映画を観ることはほとんど無くなったし、映画を観に行ってもただ黙って画面を眺め、(多くの日本人がそうであるように)"自分とその映画"という付き合い方をする僕なんかからしたら、みんなで楽しんでいる様子はなんだか可愛らしいなーとも思える。アメリカに来ていてもこれまでは多くの時間を自分ひとりで過ごしていたり、頼れる日本人が近くにいたりしたが、こうしてアメリカ人の生活の中に入っている、という面白い時間を今のところ毎晩ここポートランドでは過ごしている。
 今日は昨日を上回る快晴だ。歯を磨いたら歩き出す。

2012.11.15 Fri. before noon wrote.
フェイスブックで誕生日おめでとうのメッセージが届いた。時差で日本はもう明日なんだね。