11/11/2012

The last day in SF.

The last morning in SF.

 サンフランシスコで過ごす最後の朝は、ここで朝ご飯を食べようと決めていた。ベーグルにスクランブルエッグとチーズを乗せてもらう。コーヒー豆はポートランドのスタンプタウンコーヒーのものを使っている。朝起きるとすこし空いたカーテンの間からきもちよく青空が見えて、いい朝を迎えられたと思った。すこし歩いてここATLAS CAFEへ来ると、健康的でかわいらしいスタッフの女性がにこやかに注文を聞いてくれる。どこから来たのか聞かれたので日本と答えると、「ワタシハァ〜◯◯(名前忘れてしまった)デスゥ〜」と、続けてとなりのスタッフを見て「カノジョハァ〜」と、なんともキュートな日本語を披露してくれた。今日のスクランブルエッグは今までで一番ふんわりしていて美味しかった。
 同じように最後のサンフランシスコの夜だった昨晩はイベントへ出掛けた。Mollusk SurfshopでThomas Campbellの写真展と写真集の出版記念のオープニングパーティーがあったのだ。そこではTommy GuerreroとRay Barbeeのライブも行われて、自分の好きな人たちがいきなり目の前にいるのがすこし変な感じだった。アメリカ旅行を考えていた頃、ノートにアメリカで何をするかというページをつくった。そこには真っ先に「トーマスキャンベルに会う」と書いてある。けれどそれを実現するために何の行動もして来なかったから、諦めていたところに昨晩の情報が入ったのだった。と言っても特に中身のある話は何もできず、サインをしている列に並び、久しぶりに緊張しながら何と言おうか考え、そのセリフを失敗しないように言っただけ、というのが正直なところだ。あんな焦る必要は無かったのだけど、あの空間で話すのは僕にはいっぱいいっぱいだった。すこしだけ後悔してしまっているが、それでも満足、と思える夜だった。それと、もちろん忘れずzineも渡した。自分の写真を見てくれて、家のどこかに置いてくれるかなと思うと安心する。
 モラスクへ行く前に、アンドリューという男と会った。彼は横浜に二年ほど住んでいたらしく日本語もかなり話すことができて、共通の知人がいたこともあっていきなりメールを送ってみたら、快く会いましょうと返事をくれた。モラスクのイベントのことを英語でメールを打って伝えたら、「いいね!行きたい!」と日本語で返ってきたのが面白かった。それからはほとんど日本語でメールを打ってくれたし、会ってからも日本語で話そうとしてくれた。待ち合わせていたバーには10分前くらいに着き、しばらく外で待っていたら中から「アツシ!」と言って出て来た。なんとなく大体みんなすこし遅れて来るだろうなと思っていたから、先に中にいるとは思わなかった。アンドリューとは誕生日が一日違いだったり、昨日は偶然にも紺色のニット帽にグレーのトレーナー、ジーパンと同じような格好をしていたり、なにか繋がりを感じられて、きもちよく付き合っていけそうだ。付き合って行きたいと思える素敵な男だ。そういえばトパンガでマイクと出会ったときも、白いTシャツに茶色のズボンと、同じような格好をしていたのを思い出す。1時間ほどバーで飲み、外へ歩き出したらすぐに路面電車が走ってくるのが見えたので走って乗り込んだ。モラスクへ行く前に彼の友人の家に寄ってビールを飲み、モラスクでもビールを飲みながら好きなミュージシャンの音楽を聴き、と、ついにそんな友人と過ごす時間を最後の夜に持ててうれしかった。アンドリューは途中で別のパーティーへ行ったのでモラスクを出てから僕もそっちへ合流したい気分にもなったが、別れ際の「日本で会いましょう!」という言葉が爽快だったし、これ以上はしつこい気がして帰りの路面電車に乗った。
 サンフランシスコで会えるかもしれなかった、会いたい人がまだいたのだが、きっとそう遠くない将来ちゃんと会うことができると思える。昨晩から今に続いてるこのいい時間を最後に過ごせていることがまた、そんな風に思わせてくれる。今回のサンフランシスコ滞在に満足できる。今朝家を出たとき、隣の家からは大音量でジャニスジョプリンが流れていた。

2012.11.10 Sat. before noon wrote.